小牧

三井不動産販売、仲介事業を拡充。購入希望、顧客情報をオンラインで迅速化

1994年8月12日、日刊工業新聞

三井不動産販売(社長横山宏明氏)は不動産仲介事業を強化拡充する。具体的には顧客の早期売却、早期購入の要望にこたえるために、購入希望顧客の情報をオンライン化するシステムを導入、売り物件情報と購入物件情報を自動的にマッチングさせることができることになることから、単に売買成立スピードを速めるだけでなく、売却希望者に対してどれくらいの需要があるかを客観的に把握するデータの提供も可能となるとしている。

まず首都圏にある三井のリハウスネットワーク129店舗で1994年9月から本格稼働させる。三井不動産販売が購入希望客の情報をオンラインで共有化するシステムは「住みかえ名探偵検索くん」。これまで売り物件についてのデータは各リハウス店舗で検索できるようになっていたが、「住みかえ名探偵検索くん」の導入によって、各店舗から入力された購入情報のデータを自動的に照合できるようにしたもの。これにより購入情報を入力した翌日には、その購入条件に適合する物件を自動的に選び出し、顧客に提供することが可能となり、従来に比べて3-4倍のスピードアップとなる。

すでに4年ほど前からオンライン化している売り物件情報は売り希望顧客に対して、物件の査定だけでなく、売却希望条件に対して、どれくらいの買い希望があるかというデータも提供できる。買い希望が少ない場合、売却条件を引き下げるなどの対応ができるようになり、売買のスピードアップだけでなく、成約の効率化にも役立つ。(株オンライン

三井不動産販売 首都圏店舗にオンラインシステム 素早く売買成立

1994年8月2日、日本工業新聞

三井不動産販売は1994年8月1日、首都圏の三井のリハウスネットワーク129店舗において、購入希望顧客の情報をオンラインで共有化するシステムを導入したと発表した。売り物件情報と購入情報を自動的にマッチングさせることが可能になることから売買成立速度を高めるとともに、売却希望者に対してどれぐらいの需要があるかを客観的に把握するデータの提供も可能になるとしている。

これまで売り物件についてのデータは、各リハウス店舗で検索できるようになっていた。今回、各店舗から入力された購入情報のデータとを自動照合できるようにした。これにより、購入情報を入力した翌日には、その購入条件に適合する物件を自動的に選び出し、顧客に提供することができるようになる。

また従来、売り希望顧客に対しては、物件の査定だけでなく、売却希望条件に対して、どれぐらいの買い希望があるかというデータも提供できる。買い希望が少ない場合は、売却条件を引き下げるなどの対応ができるようになり、売買のスピードアップも図れるとしている。

ユーザーバンク、オンライン不動産仲介を2018年7月に開始 情報制限でリスク軽減

2018年3月9日、日刊工業新聞

ユーザーバンク(大阪市北区、佐海隆夫社長)は、2018年7月からオンラインでの中古住宅などの不動産販売会社と、個人など売り手との仲介を始める。2017年12月に買い手との仲介を始めており、2019年9月期に2億2700万円の売り上げを目指す。

不動産販売会社からあらかじめ提供を受けた中古物件情報と、買い手がオンラインで登録した希望する中古住宅の住所や価格など、15項目の条件を照合し、双方に合った物件を紹介する。

不動産販売会社は、物件情報の登録料として1万円、買い手と商談した段階で一定の費用がかかる。買い手や売り手の登録は無料。

不動産情報は詳細にすれば、同業他社に物件が知られ仲介される恐れがあるため、通常は物件の一部しか公開していない。販売を依頼する側も近所の不動産販売会社が多く、地域や企業規模などで制限され、成約しないケースが多いという。

ユーザーバンクは売り手・買い手と不動産販売会社の3者に公開する情報を制限することで、他社による仲介リスクを抑え、売りたい物件情報をより多くの登録した不動産会社に伝えることで、成約を増やす。

目標は『不動産版アマゾン』 オンライン不動産 ネット特化で業容拡大

2008年8月19日、住宅新報

1都3県を中心に不動産仲介を手掛けるオンライン不動産(横浜市、センチュリー21に加盟)では、インターネットに特化した営業活動を展開している。宮澤勝次社長は、経営哲学として「新世代に対応する」ことを掲げ、地域密着や販売代理など、従来の営業手法にとらわれず、独自の追客システムを活用した『顧客のための購買代理』という概念のビジネスモデルを構築した。最近では携帯電話を活用したシステム開発にも注力し、携帯世代の取り込みにもいち早く着手している。「目標は、不動産業界のアマゾン」。宮澤社長に聞いた。

携帯サイトにも注力

ヤフーがサービスを開始したのは1996年2月。オンライン不動産は、その8カ月後の1996年10月、ウェブサイトを立ち上げた。「インターネットは、街の不動産屋さんから不動産会社への企業化を実現し、業容拡大の起爆剤になる」。ネット草創期に、宮澤社長はそう直感したという。センチュリー21の米国本部のサイト開設よりも早かった。

ところが、当初は失敗の連続。「当時は、電話回線を使用したダイヤルアップ接続のため、落ち着いてネットを利用する環境になく、電話料金も跳ね上がった」と宮澤社長。

更に悩ましいのは、反響があっても仕事につながらないことだった。

「問い合わせに対し、返信してもなしのつぶて。大量の反響メールの処理に追われ、一時ネット営業は崩壊寸前だった」(宮澤社長)

反響を分析すると、顧客にまぎれて、同業者やひやかしが半分以上含まれていることが分かった。

「ネット営業の成功のカギは、顧客を絞り込む会員制度にある」(宮澤社長)。3年余りの試行錯誤を経てたどり着いた結論だった。

2000年から顧客データと物件情報のデータベースの構築に着手。2001年にはマッチング機能を加え、サイト上に会員専用の「マイページ」を開いた。

営業員が顧客カードと物件データを突き合わせ、条件に合う物件情報については図面を添付してメールで送る--。この一連の流れを自動化させた。

マイページには現在、「戸建て住宅やマンションの購入を検討している見込み顧客ら約9000会員が登録し、約3万件の物件が常時データベース化されている」(宮澤社長)。物件情報は毎日更新され、その都度会員データと突き合わせ、条件に合った情報は自動でメール送信されている。

「例えば、100人の営業マンが100時間費やしてもできない作業を一瞬で行うシステムだ」と宮澤社長は自負する。

システムを開発した佐々木一幸取締役情報システム室長は、「マッチングした物件情報は、ブレはあるものの、毎日2000~4000人に配信され、そのうち100~300人の会員から資料請求などの反響がある」という。

この時点でようやく営業員が登場し、コンサルティングや現地案内など、対面で対応することになる。

「これら一連の流れを、カスタマー・リレーションシップ・マネージメント(顧客関係管理=CRM)と呼ぶが、開発に着手したころは、まだなじみのない言葉だった」と宮澤社長、「公開情報に対する反響数が成果だと誤解している人もいるが、ネット営業の本質はネットに閉じこもっている顧客をいかにリアルにひきずり出すかがポイントで、CRMの導入なしには成り立たない」と強調した。

マッチングのほか、マイページの特徴には掲示板がある。物件相談などの書き込みに対し、営業員が随時答え、やりとりを重ねることで顧客との距離を縮め、信頼を得ていく。更に携帯からも閲覧できることから、時間や場所の制約なく利用できるのも好評だという。今後、機能を高め、携帯のヘビーユーザーやパソコンを持たない携帯世代に対応していきたい考えだ。

また、約3万件の物件情報のうち、約2000件は会員以外にも公開されており、サイト利用者が検索すると自動的に類似物件を紹介する機能もある。「物件、売主、地域に固執せず、『すべて顧客のために』を理念に改良を重ね、『購買代理』という概念のビジネスモデルを構築した」と宮澤社長。開発費はこれまでに「数億円は投下し、2007年には資本金を1億円に増資、今後も開発に注力する」。目標は「不動産業界のアマゾン」だ。

宮澤社長の直感通り、ネットは企業化を後押しし、CRMの導入を機に業容を拡大させた。2004年には東京支店を開設し、2005年には本社を横浜ランドマークタワーに移した。出店が延びていた千葉と埼玉の両支店も2009年までに実現したいという。オンライン不動産の創業は1979年。2009年には創業30周年を迎える。

IT企業系の人材を確保

オンライン不動産のシステムを支えるのは、情報システム室だ。SE、プログラマー、デザイナー、サイトディレクター、サーバー管理者など8人と物件情報の入力担当者ら約20人が在籍。全従業員約80人の4分の1を占める。大手IT企業からの転職者もおり、IT会社を構成する人材を集めた。

情報システム室の従業員は服装やファッションも自由で、茶髪の社員もいる。社内には一般的な不動産会社とは異なる雰囲気が漂っていた。

とはいえ「不動産会社に根付くIT技術者は少なく、人材確保には苦労した」と宮澤社長。「ITと不動産を融合させた功績で後々名を残せる」。そんな激励の言葉を掛けて技術者を鼓舞し、じっくり時間を掛けて今の体制を整えたという。佐々木取締役室長は、サイト立ち上げから現在のシステム開発まで一貫して携わってきた。開設当時はアルバイト。大手IT企業の内定を得ていたが、宮澤社長に請われて入社した。「趣味が仕事になった」と笑顔を見せる。

こぼれ話

オンライン不動産では、イントラネットも独自開発し、社有車の管理や社員の行動予定などを共有している。更に、本社と東京支店内には監視カメラとモニターを複数台設置し、言わば『相互監視』している。社員同士何をしているのか把握できる仕組み。

導入当初は戸惑う社員もいたが、今では「電話の取り次ぎの際に在不在が分かり便利」「さぼる人が出ない」などの効果を感じているという。